公益社団法人日本広告制作協会(OAC)は、2006年「子どものHIV/エイズ撲滅キャンペーン」を皮切りに、2011年「地球環境:あなたが世界を変える日」まで、3度にわたってクリエイティブの力で行うボランティア活動=クリボラ事業を国内外で展開してきました。
4回目を迎える2012年は、東日本大震災からの復興を願って被災地の仮設住宅や集会所で使っていただくカレンダーを制作。カレンダーと義援金を届ける被災地支援プログラムならびに展覧会とチャリティ販売を実施いたします。
昨年3月の震災発生以来、物資提供や義援金拠出、清掃活動などが数多くの企業・団体と個人により行われ、著名人によるイベント等も活発に開催されました。しかし、震災後1年の節目を迎えた後は、メディアが取り上げる機会も減り、物心両面で復興はまだまだ先であるにもかかわらず、被災地への関心と支援の動きが鈍くなっていることも事実です。
OACはそうした背景をふまえて、これからの時期こそ被災地にきちんと向き合い、クリエイターとしてできることに取り組むべきだと考えています。
仮設住宅の不自由な環境の中、容易に先が見えない復興への取り組みは、被災者にとって精神的負担の大きい道のりです。頑張ってと励ますだけでなく、ときにはふっと気を抜き、心和んでもらう支援も必要なはず。そんな思いから、私たちは心和むカレンダーの制作に取り組み、寄せられた作品から12点(1年分)を選んでカレンダーに印刷製本し、岩手県大槌町にある約50カ所の仮設住宅(入居者約4700人)に設けられたすべての集会所へ義援金とともにお届けします。同時に、内外に復興支援の継続を訴える展覧会も開催します。
仮設住宅の入居期間は約2年と定められています。実際には長期化の可能性があるものの、2011年7~8月入居であれば、来年の秋から冬には退居することになります。カレンダーが、被災者にとって新生活への道のりをビジュアルに示す役割を果たせたらとの願いも込めています。
また、制作にあたっては、高齢の被災者が数多く存在することもふまえて、見やすく使いやすいユニバーサルデザインとしての配慮も行います。
外務省、ユニセフ東京事務所、(財)日本ユニセフ協会、(社)日本アドバタイザーズ協会などの後援と数多くの団体・企業からの協賛をいただき、東京の国連大学ギャラリーをはじめ、大阪・名古屋ほかでポスターとweb作品による「OACクリボラ展」を実施。2007~ 2008年にはジャカルタ、釜山、メキシコシティなど、海外でも開催されました。また、メキシコとわが国の交流400周年の2009年には、横浜港大さん橋国際客船ターミナルにおいて、メキシコのクリエイターらの作品との同時展示も実施されました。
朝日新聞社共催、環境省、(社)日本アドバタイザーズ協会ほか数多くの団体・企業の後援と協賛を得て、有楽町朝日スクエアにてポスターとweb作品の展示とフォーラムによる「OACクリボラ展」を開催。また、内外から数多くの識者やオピニオンリーダーらが集まった朝日地球環境フォーラムにおいても作品展示を行い、環境保護意識の啓発にクリエイターがあずかる力の大きさをアピールしました。